いつものおにぎり


 

(そうだ。ごはん)

 

深月は出かけるついでの買い物メモをしたためながら、炊飯器の中に残っているごはんの量を確認しなければ、と思った。

 

いつもは自分一人でお昼に食べたり、冷凍したりしているが、今日は土曜日だパパも圭太もいる。

彼らがお昼に何を食べるかわからない。

カップ麺を食べるかもしれないし。適当になにか買ってくるかもしれない。

 

 

炊飯器を開けてみる。

よるごはんには足りない。

冷凍するにはちょっと多い。

 

 

よし。

 

と、深月はラップでごはんをくるみながらひとつ、またひとつとおにぎりを作っていく。

男の人だったら、一口で食べられそうなくらいの、こぶりのおにぎりが5つできあがった。

 

それらをテーブルに置いておく。

こうしておけば、小腹が空いた時に彼らは消費してくれるだろう。

 

深月は空になったお釜を洗って、お米を研いで、タイマーをセットする。

 

 

よし。

 

 

ふたたび、我が身に納得の掛け声をかけて。

さて、そろそろ出かける準備をしないと遅刻しちゃう。

 

パタパタとキッチンから深月の気配が消えていった。